ハリソンフォードの『ブレードランナー』が何故今評価されているのか

ブレードランナーは泥臭くヒューマニズムに飛んだ映画

1982年に

『スターウォーズ』『インディージョーンズ』で人気者になった

ハリソンフォード主演でなんとも異色のSF映画があります。

リドリー・スコット監督によるSF小説の大家フィリップ・K・ディック

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の映画化で、

当時、スターウォーズ等のSF映画の陰に隠れてはいましたが、

のちに時代が追いついて今やSF映画の金字塔とまで言われているブレードランナーです・・。

この映画、SF映画というよりもヒューマニズムに溢れそして泥臭く、

そしてなぜか暖かい・・

哲学的でもあり奥深い、とても味わい深いストーリーなのであります。

あまり一般大衆に受けない理由として、近年のSF映画のような

かっこよさや爽快さというのとは一線を課してる、

なんとなくSF版『ダイーハード』っぽい・・。

ヒューマニズムとでもいうのでしょうか・・。

今でこそSF映画の金字塔とまで言われている『ブレードランナー』ですが、

公開当時はあまり観客に受け入れられませんでした。

1982年の公開時、アメリカでは、スーティヴン・スピルバーグ監督の

大ヒット映画『E.T.』に完全に押されてしまい、

日本でも極端にお客さんが入らず、早々に上映が打ち切られてしまったのです。

なぜ今この映画は続編が作られ評価されてるのか・・


出典 www.indiewire.com

きっと主人公デッカードが人間的すぎるから、きっとダメぶりの共感度

時代とともに高くなってきたことも影響してるのかもしれません。

リアルな人物像が共感を生んだから

完全懲悪で完璧なヒーローよりも

リアルな人間の方が今最も自然に見れるし共感できます。

くたびれた探偵がドジをしまくる主人公が「ブレードランナー」だとすれば


出典 https://search.yahoo.co.jp/image/search?ei=UTF-8&fr=appsfch2&p=%E6%9D%BE%E7%94%B0%E5%84%AA%E4%BD%9C+%E6%8E%A2%E5%81%B5%E7%89%A9%E8%AA%9E

彼も同類ですかね・・

とにかくこのデッカード、

レプリカントを殺すという意味で任務はこなすのだけど、

必死こいて追いかけて銃を乱射してやっとこさ殺すという・・

昭和の刑事映画さながらの間一髪さが満載なのです。

警察官としては

ブレードランナーってすごい名前で最強なはずなのに

なぜか悩み多きドジなんですよね・・・。


出典 https://news.ameba.jp/entry/20150227-392

ブレードランナーともあろうデッカードは

レプリカントに殺されそうになるところをレイチェルに助けてもらうという失態。

何度も危機に追いやられ、そして救われる・・


出典 www.tadamonkugaiitakute.com

危機に見舞われ振り回され・・

自分はできる男だ!と思っているのですが何故か絶体絶命に追いやられ、でも救われる。

完全にダイハード化してるのであります。

というか、ダイハードの元祖であります。


 出典 http://cinemaisland.blog77.fc2.com/blog-entry-1101.html

そして映画のラストには男型のレプリカントのロイ・バッティ

メタメタにやられるだけでも主人公としてはかっこ悪いのに

なんと情けで命を助けられるのです・・。


 出典 https://ciatr.jp/topics/301288

どんだけ運のいいヒーローなのでしょうか?


引用 https://ciatr.jp/topics/244535

ましてや、やられてのちに復讐で現れるような

『マッドマックス』なみの爽快さもなく・・

じゃ、なぜ弱いのか・・

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これ、初めからそう想定して作られたから・・。

当たり前なのですがそのようです。

実はこの映画、

私立探偵を意識した映画なんだそうです。

ハリソン・フォードっていうと

スターウォーズ


引用 http://www.cuemovie.com/news/young-han-solo-finalist/

インディ・ジョーンズ


引用 http://buzz-netnews.com/indiana_jones_kids

何か強いイメージがあったのにこの『ブレードランナー』での

キャラクター設定には、

ほんとズッコケたでしょうね。

そうですよね・・

進むべき道に迷い、任務が高じて窮地に陥るという設定なら

そりゃさすがに人間臭いドラマになります。

それにこのデッカードは強い信念の持ち主に感心を抱くというか

哲学的なこと、壮大な未来のことなど、

そんなたいそうなことは考えてないんですよね。

「デッカードは強い信念の持ち主に感心を抱くというか…。これを話すと“ネタバレ”になってしまうなあ…。ともかく、デッカードは、哲学的なこと、壮大な未来のことなど、たいそうなことは考えてないんですよ。彼はね、もっと個人的なこと、自分の過去に関すること、あるいは自分の感情に責任があることがらについてこだわっている。そういう人物なんです」

ハリソンフォード談

彼は、もっと

個人的なこと、自分の過去に関すること、

あるいは・・

自分の感情に責任があることがらについてこだわっている。

そういう人物なんですね。

苦悩と迷走と戦い・・

だからすべてが、現代とマッチして等身大のヒーローとしての

主人公に重ね合わせて共感できる。

でもそういう映画は爽快感がないから観客はドン引きするか興味を引いてしまう。

どちらかというとマイナーなカルト路線なのです。

カルトファンの増大による拡散

1980年当時は

食いついて凄い!

と人気に火が付いた映画ではなかったのです。

それになんといっても

遺伝子工学なんて学問はスターウオーズのように


出典 pixiin.com

ロボットがでてくる1890年代のSF全盛時代には

まだまだ受け入れられなかったのですね。


出典 https://www.sideshowtoy.com/collectibles/star-wars-c-3po-sideshow-collectibles-2171/

人間と同じ姿なのにアンドロイドって言ったってねぇ。

いつの世もやはりかっこいいヒーロー像を期待します。

でも2018年現代、時代が追いついたのです。

マイナー的な玄人受けする、カルト好きの増大。

そんな人々の情報の拡散によって評価が高まったのだと思います。

リアルな近未来の出来事として

なるほど・・

と妙に納得してしまう、そして謎が多い・・・

といったカルト的なマニア向けな、そんな映画・・。

時代がそんな映画を求めてきたのです。

ブレードランナーの世界観が近未来的だったから

buredo4.PNG
出典 cdn-ak.f.st-hatena.com 

ロサンゼルスの都会の風景の視野が

故意に狭く設定されておりそれ以外の風景がないのです。

つまりそこ以外に住む所がなく限定されてるのです。

狭い世界がすべて・・

密集した高層ビル街の中で

人々はひしめき生活しているのです。

現代社会の人間もそうですよね。

狭い世界でここしかないと信じ

必至で生きている・・・

このブレードランナーの世界・・

その世界は、

ひっきりなしに雨が降り、空気が汚染されていて、

人々は窮屈なほどこの狭い世界に閉じ込められていました。

広い世界を見れたのは、そして心が自由で権力を持っていたのは

人造人間レプリカントを創造した

タイレル社の創業者であるエルドン・タイレル博士のみ。


引用 https://ameblo.jp/glass-arcus/entry-11456459939.html

彼は

巨大なピラミッド型の彼所有の本社ビルのエレベーターから

この閉じ込めれれた世界を眺め

見下ろしていました・・。

この1割の富裕層、実力者、権力者・・

彼の目線だけには

広大な世界が広がり・・それ以外は

ただの消耗品か労働力に過ぎませんでした。

「あらゆる文明は、

使い捨ての労働者で成り立つ」

タイレル博士の言葉・・

悲しい世界・・

認めたくないですが現実なのですね・・。

最後に・・人間とは運命とは何かというテーマが深い・・

結局人間とは何なのでしょうか?

私たちは人間から生まれた・・

という非常に明確な意識を持ちながら

生きています。

ところが

未来の世界では、人間(レプリカント)

品物のように作れるようになる。

そして、作られた人間は自由な意思を持てず、

自分では到底

コントロールできない人生を送っている。

レプリカントたちは

自分が経験したことの記憶でさえ

本物なのか自信を持てない。

そんな生き方、ある意味奴隷ですよね。

でも・・・

このように生まれながらに人間とはかけ離れた存在の場合

どうすればいいのでしょうか?

人間として誕生できずに作為的に作られ

そして作為的に誕生させられ、

そして・・

自分の意思を持ったと自身が思ったとしても

それすらも人工的に作られたものであるなら・・

なんとも悲しいというか、残酷すぎるというか・・

もしこんな未来がきたらあなたならどうしますか?

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